大同メタル佐賀株式会社

佐賀県内の工業高校から毎年優秀な人材を確保。自然災害も少ない佐賀で、安定的に高度技術の「バイメタル」を製造

写真:大同メタル佐賀株式会社

大同メタル佐賀株式会社

代表取締役社長 兼 工場長

川地 利明 氏

大同メタルグループは、世界15カ国に44の拠点を構え、自動車をはじめ、船舶や建設機械など多くの機械で使用される「軸受」を製造・販売する「総合すべり軸受メーカー」です。「すべり軸受」とは、回転する軸(シャフト)との間に油などを使用して、軸が滑らかに回転できるように支える部品のことで、「メタル」とも呼ばれます。大同メタル佐賀は2016年に、軸受の材料となるバイメタルの国内生産拠点として武雄市で操業。進出先の選定にあたり、全国の候補地から「総合力で佐賀県が勝る」と判断した内容を詳しくお話いただきました。

地方への進出を考えられたきっかけは?

大同メタルグループでは、機密機械用の2mmの軸受から大型船舶用の1600mmに及ぶ軸受まで、多種多様のすべり軸受を製造しています。軸受の素材は「バイメタル」と呼ばれる複合材です。鋼板の土台に、アルミ合金系、銅合金系やポリマー系など、さまざまな素材を接合する当社固有の技術で製造しています。愛知県の犬山事業所が生産拠点でしたが、手狭になり、新たな拠点を探すことになりました。国内の生産拠点が本州に集中していたこともあり、自然災害の影響の分散を含め、総合的な観点で全国から最適な候補地を精査しました。

佐賀県を進出先に選んだ理由は?

大きく分けると、人材・BCP・交通の3点が挙げられます。とりわけ重視したのが人材です。労働人口が減少する日本では、長期的な優秀な人材の確保は極めて重要です。そんななか、佐賀県は職を求める人材が多い状況でした。佐賀県人は、「常に己の生死に関わらず正しい決断をせよ」という「葉隠の心」をもつ勤勉な県民性で知られており、採用する側としてはたいへん魅力的です。また、佐賀県内の工業高校卒業生の3年間の離職率が低いことも、人材育成で重視したポイントでした。

次にBCPです。佐賀県は、地震発生回数が全国的にも少なく、南海トラフ地震での津波・建物倒壊・火災などの政府の被害想定もゼロとなっています。ここ数年の水害の際も、工場への直接被害はありませんでした。自然災害のリスクが低く、BCPを強化することができます。

そして3番目の理由は、交通アクセスです。長崎道武雄北方インターチェンジのすぐそばに立地し、2022年秋には西九州新幹線が開通します。九州佐賀国際空港・福岡空港・長崎空港は、いずれも約1時間圏内で、伊万里港はアジアへと開かれています。人流、物流において陸・海・空と使い分けできる機能が備わっているのです。

これらの理由から、全国の進出先候補地のなかで佐賀県が総合力で勝ると判断しました。

佐賀県に進出して良かったことは?

優秀な人材が確保できることです。2016年の操業以来、毎年高卒採用では、地元の工業高校を中心に確かな人材を推薦いただいています。また進出前も進出後も、行政のサポートが素晴らしいです。進出前の佐賀県と武雄市のレスポンスは常に早く、計画がスムーズに進められました。各種税金の減免制度や、新規雇用者への補助金などの優遇策など手厚い支援にも助けられました。進出後も「進出してからが本当の付き合い」の言葉どおり、しっかりとしたフォローアップがあり、当初想定していた以上の生産が可能となりました。

佐賀の事業所での職員の様子はいかがですか?

社員の佐賀への愛着の強さを感じたことがあります。佐賀の工場には、本社からの出向社員も勤務していましたが、地元採用の社員が予想以上に育ってくれたことから、前倒しで本社に帰任させています。ところが佐賀を離れたくない、という社員が何人もいたのです。なかには小中学生だった2人の子どもが高校を卒業するまで佐賀に残りたいと希望したため、家族を佐賀に残して本社帰任した社員もいます。

佐賀県での今後の展望は?

現在、佐賀の工場では、当グループのバイメタル全体の約5割を製造しています。今後はさらに生産品目を増やし、バイメタルのマザー工場を目指します。また、地域に根ざした活動にも取り組んでいきます。これまで当社のリニューアル前の旧作業服を、地元の社会福祉法人に寄贈したり、令和元年の九州北部での豪雨災害では200万円を復興支援に拠出させていただきました。

地元佐賀との取引を優先し、地域の皆様にはお役に立てる活動を続け、会社名のとおり、佐賀の企業として認知していただけるよう取り組みを進めていきます。

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社名 大同メタル佐賀株式会社
立地場所 〒849-2204 佐賀県武雄市北方町大字大﨑5088番地9
進出年 2015年
ホームページ https://www.daidometal.com/jp/