ポラテック九州株式会社

福岡・熊本へのWアクセスでプレカット材を供給! ポラテック株式会社が佐賀県に新会社を設立するまで

株式会社ポラテック / ポラテック九州株式会社

専務取締役 / 取締役 佐賀工場長

北大路 康信氏 / 秋野 龍氏

木の可能性を追求し、未来へ

安定した良質なプレカット材の供給や地域の雇用促進、地域イベントの参加等を通じて、地域文化の価値の創造を。
ポラテック西日本株式会社は、2017年7月に唐津市に住宅建築に使用する木材のプレカット※工場(佐賀工場)を開設されました。
※プレカット……現場で木造住宅の建築工事を行う前に、原材料の木材を切断したり、接合部の加工を行っておくこと。

佐賀工場の開設後は新たな工場の増設等により、順調に生産能力を拡大され、2023年現在、開設当初の約1.8倍もの生産能力を有されています。
そして、2023年3月、ポラテック西日本株式会社で行われている九州地域のプレカット事業が唐津市を本社とするポラテック九州株式会社として独立することになりました。
そもそも、なぜ佐賀県唐津市がプレカット工場の建設地に選ばれ、新会社の誕生に至ったのでしょうか。 ポラテック株式会社の北大路専務取締役と今回新たに設立されたポラテック九州株式会社の佐賀工場長である秋野取締役にお話しを伺いました。

インタビュー動画

熊本地震の復興に役立てるため、九州進出を前倒しに

まずは佐賀進出の背景をお尋ねするため、ポラテック株式会社のある埼玉県へ足を運びました。 ポラテック株式会社の専務取締役 北大路康信さんにお話をうかがいました。

──そもそも、九州への進出を考えられたきっかけは何だったのでしょうか?

北大路専務:私どもは関東、中部、関西、東北の各地方に木材プレカットの工場を持っており、九州進出以前から業界トップでしたが、今後も成長していくために、次なるステージとして九州への進出を計画したのがきっかけです。

──九州という市場に価値を感じていらっしゃったんですね。

北大路専務:はい、九州地方は住宅着工戸数が多い福岡県や熊本県を抱える大きな市場ですからね。
もともとは2020年ごろの進出を検討していたんですが、2016年4月に発生した熊本地震により、計画が早まったんです。

──なぜ熊本地震で計画が早まったんですか。

北大路専務:復興の課題の一つである「住まい」の問題を解決するためには、高品質なプレカット材の供給が欠かせないからです。

──高品質なプレカット材を供給することで、「住まい」の問題は大幅に解決しやすくなるということですか。

北大路専務:工場でプレカットを行うことで、大幅な作業効率の向上に繋がります。もともとは大工さんが1か月以上かけて行っていた作業が、工場では1時間程度で可能になります。

──1か月が1時間とは、すごいインパクトですね。それは復興の大きな力になる。

北大路専務:良質なプレカット材を迅速に供給することを通じて、一刻も早い九州地方の復興と佐賀県唐津市の地域活性化の一端を担えればと考えました。
これは、プレカット業界トップの会社としての使命だと思い、計画を3年前倒しして、2017年に唐津市に佐賀工場を建設しました。



大きな市場である福岡・熊本の両方に近い恵まれた環境

──九州進出の場所として、佐賀県唐津市を選ばれた理由は何だったのでしょうか。

北大路専務:佐賀県は、九州地方の大きな市場である福岡県、熊本県に近いロケーションとアクセスの良さが魅力でした。
唐津市を通る西九州自動車道は、福岡市の都市高速、さらには九州自動車道ともつながっており、九州のどの県へもスムーズに移動できます。

──たしかに、福岡や熊本のどちらにも近い点は大きな魅力ですよね。

北大路専務:加えて、山口祥義知事や唐津市長による熱烈なアピールには、大きな影響を受けました。佐賀県や唐津市の職員の方々も非常に熱心で、どんな課題にもこちらの立場に立って素早く対応してくださったことも要因です。

──具体的には、どのような対応がありましたか。

北大路専務:佐賀への立地にあたっての支援制度が充実していることはもちろん、優秀な人材採用などのサポート体制もありました。とてもありがたかったです。

──実際に唐津市の候補地を見て、どのように感じました?

北大路専務:木材は船で運ぶケースが多いので、海の近くであることは大きなポイントでした。すごく気持ちのいいところで、浜辺で一日ボーッとしていられるんじゃないかというくらいです。すぐ気に入りました。

──目の前には海が広がって見えて、いいところですよね。

北大路専務:すごくいい場所ですね。風光明媚なところで夕陽が綺麗ですし……。
きっと社員の皆さんも喜んでくれるんじゃないかと思いました。一生懸命働いてもらっているので、なるべくいい環境を提供したいですしね。

※2022年新設された新工場内の休憩室からの眺め

佐賀への移住希望者も!充実した環境で業務も私生活も社員が満足する理由 

──佐賀工場の開設後、事業は順調に継続できていますか。

北大路専務:おかげさまで、佐賀県に工場を設立して以降、佐賀工場は毎年、増収・増益を記録しています。

──2017年から5年連続の増収・増益ということですか。それは順調ですね。佐賀県に立地して、良かったことはどんなことですか。

北大路専務:まずは佐賀県や唐津市から細かく丁寧なアフターケアやバックアップをいただいたことには、とても感謝しています。また、唐津市から車で1時間弱で博多に行けるので、交通のアクセスがとてもよく、博多の営業所とも密にコミュニケーションが取れています。

──県と市からのサポートに加え、福岡へのアクセスの良さが業務にとってプラスということですね。

北大路専務:また、佐賀県のPRどおり自然災害が少ないことを実感しています。関東から出向で佐賀工場へ来た社員が、地震の少なさに驚かれていました。

──確かに全国的に見ても佐賀の地震数はかなり少ないですからね。

北大路専務:業務以外の環境という面でも、社員から好評です。工場の近くに釣りやサーフィン、キャンプなどのアウトドアスポットが多く、プライベートが充実し、仕事の励みになっていると思います。

──大きく広がる空と美しい自然は、佐賀県の強みだと思います。

北大路専務:環境の良さに惹かれ、本社で働いている社員が「佐賀へ行きたい」と、志願して何人か移住されたんですよ。それくらい魅力的な環境だと思います。

ハローワークや地元メディアの活用で多数の採用応募を獲得

──佐賀工場の採用はどのように行っていますか?

北大路専務:現地採用を積極的に行い、将来の幹部候補も現地の方にと考えています。

──求人募集はどのように行われているのでしょうか。

北大路専務:採用については、ハローワークの他に、地元のメディア等を積極的に活用しています。例えば、唐津市の市報やホームページに求人情報を掲載していただいたり、唐津市主催の「一般求職者向け合同企業相談会」にも積極的に参加しています。

──実際に採用募集をかけられて応募はいかがでしょうか。

北大路専務:弊社の他の工場の状況と比較しても、佐賀で募集した時には、多く応募がありますね。佐賀工場では特に地元の方からも歓迎されていますし、とてもありがたいです。

──佐賀にしっかり根づいていらっしゃいますね。

ポラテック九州が唐津市に誕生!佐賀の地で、地域文化の価値の創造を実現

──2023年3月21日より、ポラテック西日本株式会社からの吸収分割により、ポラテック九州株式会社としての事業を開始されましたね。

北大路専務:ポラテック九州株式会社は、地元佐賀県の企業として、改めて産業・雇用を通じた佐賀県の地域活性化の一助となれればと考えています。

──今後、どのような事業に力を入れていきたいと考えていますか。

北大路専務:常に最新の技術、サービスを提供したいと考えています。これまで培ってきたノウハウに加え、3次元立体解析や倒壊シミュレーションができるオリジナル構造計算ソフトなどを投入しています。九州の住宅会社様、ビルダー様、工務店様に、オリジナル部材などのプレカット材を安定してスピーディに供給する役割を果たしたいですね。

──よりいっそう、佐賀の企業として地元になくてはならない存在になりますね。

北大路専務:そうありたいですね。私どもの経営理念の一つに「地域文化の価値の創造」とあります。これからも地域の雇用促進、地域イベントの参加等を通じて 地域文化の価値の創造に努めてまいります。九州に安全で安心な木造軸組み建築を増やしていきたいですね。

──本日は貴重なお話をありがとうございました!

工場長が語る、佐賀の魅力とは

次に、唐津市にあるポラテック九州株式会社の佐賀工場へうかがいました。目の前に広がる広い空と青い海に癒されます。潮風が心地よく、清々しいところです。
実際に佐賀工場で勤務されている、秋野龍工場長にお話をうかがいました。

──秋野工場長は、関東から佐賀県に移住されたそうですね。

秋野工場長:佐賀へ行くことになり、正直なところ、最初は不安を感じた面もありました。でも、実際に来てみると本当に場所も人も環境もいいところばかりで、来て良かったです。

──そうだったんですね。どんなところで佐賀の良さを実感していますか。

秋野工場長:食べ物は良いものが安いですし、お酒も美味しいので、少しお酒が強くなったような気がします(笑)。

──佐賀県を満喫してらっしゃいますね。

秋野工場長:そして、何より佐賀県や唐津市の職員の方が、1から10まで全部教えてくれることも助かりました。唐津までよく足を運んでもらい、親身になって色々と対応していただいています。地元の方も優しいですし、今では佐賀が大好きになりました。



地元採用へこだわり、さらなる地域文化の価値の創造へ

──佐賀工場は生産が順調に行っているとお聞きしました。
事業拡大には採用活動も重要だと思いますが、採用活動はどんな感じですか?

秋野工場長:2017年の佐賀工場開設から今では6年ほど経過し、現在では地元の高校とのつながりができています。学校の工場見学やインターンの受け入れなど、積極的に取り組んでおり、地元出身の従業員からの紹介者の雇用も行っています。今後も現地採用を積極的に行い、将来の幹部候補も現地の方からと考えています。

──年々、地元との結びつきは強くなっているんですね。今後は佐賀でどのようなことを実現したいと考えていらっしゃいますか。

秋野工場長:地元佐賀県の企業として地域の皆さんに親しみを持っていただくとともに、地域経済に貢献していきたいと考えています。また、常に最新の技術で最高のサービスを提供し、安定かつスピーディなプレカット材を供給することで九州の安全で安心な暮らしづくりに貢献していきたいと考えています。

──これからもご活躍を期待しています。ありがとうございました。

社名 ポラテック九州株式会社
立地場所 佐賀工場(レインボーフィールド)〒840-0816
佐賀県唐津市佐志浜町4525 番地4(虹の松原ファクトリーパーク)
進出年 2017年 ポラテック西日本株式会社
2023年 ポラテック九州株式会社へ分社化